献本いただくありがとうございます。新卒市場に関しては数年前から回復しているにもかかわらず、二人に一人が会社選びに失敗したと認識し、さらに三割が早期退職する、また採用側も1000億円以上のコストをかけるにもかかわらず、この状況が改善されない、これを打開するための個々の学生の就職ルールを提示しようというのが本書の特色である。
新卒市場回復後における市場の全貌といまの採用現場で採用されている暗黙のルールまでを明瞭に説明しているために、これから就職活動が本格化するだろう大学三年生やその学生を抱える教員は一度は目を通したほうがいいであろう。特に大学側は内定決定までで安心してしまうが、もちろん本当に重要なのは定着率とそれに相関していると思われる満足率であると思う。会社のブランド力よりもこれらの諸点に注目している点で本書はこの就職市場の「常識」を一度はまとめて理解したい人にとって格好の入門書になっているだろう。
- 作者: 波頭亮
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/13
- メディア: 単行本
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この本の内容くらい常識じゃん、と思うアドバンスな人は、就職活動本でよかったのは以下のエントリーにまとめてますので参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070523#p3
さらに上のリストも「あたりまえじゃん」とか思うスーパーアドバンス(??)な人は本読まなくても新卒就職には不便ではないでしょう。