末吉名義「試される金融政策の有効性」


 もうラストスパートに入ってきた『日経公社債情報』でのリフレ派のエース級「末吉」さん名義の論説が最新号に掲載されてます。内容はサブプライム問題です。


 末吉さんはサブプライム問題から、1)市場参加者が金儲けのテクニックを開発してそれでミクロ的な合理性を追求し(ローンの証券化や個人個人のリスクの分散化の技術増進)たとしても、それがマクロレベルでのリスク回避にはまったくならないというのがサブプライム問題の本質。いわば古典的な「合成の誤謬」問題。2)情報技術の進歩や規制緩和の流れは、もう金融業に裁定機会を発生させる余地が少なくなった。そのため高いリターンには高いリスクが常に直面している。そのためむしろ現状ではリスク管理のための規制システムの必要さえもでてきている。


 というものです。これは末吉さんは書いてませんが、投機的な國際資本の移動については、スティグリッツも同様な規制の必要性を日本語の新著でも主張していましたね。これが現実にはどんな仕組みになるのか? またその規制が経済合理性と矛盾しないものなのかどうかが、これからの議論になるのではないかと思います。ちなみにかのトービン税についてはそのうちエントリーをかえて書きたいと思います。