ゲーリー・ベッカー、日本の経済格差を語る

 月曜日に発売の『週刊東洋経済』にベッカー先生登場です。これは必読でしょう。さすがベッカー先生、バシッと語ってもらってます。

1 日本の経済格差といわれている問題は不況のせいなので、あと1〜2年*1もいまの景気が続けば経済格差と騒がれている問題の大半は解決する。
2 フリーター問題(非正規雇用の増加)も1と同じ。ニートという定義のあいまいなものに政府が政策介入するとむしろ非効率を生み出す。これも実際には1と同じに1〜2年いまの景気が持続すれば自然に解決
3 少子化問題は確かに深刻だが、(ベッカー先生は移民をすすめているようだが、仮に)フランス的な補助金・育児政策で行うならば、働いている女性だけでなく専業主婦にも補助すべき。基本的に政府が子どもを生むとか産まないとかの選択に介入するのはやめるべきである。

とまさに正論語りまくりです。*2。これに意見を付加することはかえって自らの知的貧困さを明らかにする所業にしか思えません。なにはさておきぜひ読まれるますように。

*1:付記:「1〜2年」という年限だけに注目がいく可能性があるということなので、ここで無粋なフォローを。この年数が少しでも外れたらベッカー先生のいってることが否定されてしまうとかになったら、それはまったく間違った反応だけ思いますが、皆がみんなこのベッカー先生の発言の前提条件<いまと経済状況が少なくとも同じ。ちなみに僕はこのブログで何百回も書いているようにいまのままだと景気の改善は不十分なのでベッカー先生と違いますが>を理解しているわけではないですから、そういった方向に関心がいくのも無理ないのかもしれません。僕はいまのままだと「1〜2年」で経済格差が払拭できるとは思っていないです。しかしそれは政策の問題であって、経済格差自体の発生と消滅のメカニズムという、ベッカー先生のインタビューの核心にとっては、年数の問題はあまり重要ではないと理解しています。もちろん「1〜2年」で本当に実現するにはいま書きましたが政策転換が必要でしょうし、いまのままだと運がよくないと実現できない可能性が高いでしょう。まあ、こういう枝葉末節なフォローは無粋かつ不要なんですが一応、記事でもでかい扱い^^;なんで注記しときます

*2:なお日本で同じ意見を公表しているのは、若田部昌澄『改革の経済学』、田中秀臣『経済政策を歴史で読む』、稲葉振一郎氏、山形浩生氏らの発言などがある