蒲焼の匂い:日経公社債情報を斜め読む

 今週は暗黒大陸さんの「タカ派スタンスとグローバル市場」(日銀ウォッチ)でした。例の10月5日の武藤副総裁のタカ派丸出しの記者会見をうけて、独自のGDPギャップ(この推計の問題点については以前の当ブログの記事を参照してください)推計からの「フォワードルッキング」の正しさに日銀短観などから自信を深めた。


 アメリカ経済の減速も日本経済に円安効果や株高・原油安などで深刻なものになっていない。そのためここ1,2ヶ月のスパンでは日銀が追加利上げをしても政策判断ミスと指摘される可能性はない。


 だが、マネーフローの観点からは追加利上げがグローバル市場にマイナス影響を及ぼす可能性もある。

 在日外国銀行の本支店勘定経由のジャパンマネーの存在に暗黒大陸さんは注目します。このジャパンマネーは日米欧の短期金利差に感応的。ジャパンマネーはグローバル金融資本市場のアンカー。


 日銀がこのようなマネーフローを「投機」としリスク要因とみなすならば早い時期の追加利上げはそのような、ジャパンマネー=リスク要因 という日銀の価値判断をみることができるだろう、というのが暗黒大陸さんの論説内容です。


 これについてはたぶん追加利上げは、いままでのゼロ金利解除時の「フォワードルッキング」自体の説明からの流れでいえば、正当化する根拠としてこの種の「リスク要因」を積極活用するんじゃないかと僕は思っています