結局、日本銀行がいっていた「フォワードルッキング」って何だったんだろうか?

 量的緩和解除、ゼロ金利解除から現在まで日本銀行があの時点から今日まで語ってた「フォワードルッキング」。今日の報道にもあるようにGDP成長率がマイナスになり景気後退がより鮮明になった。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe082/pointj.pdf

 株価などの資産価格も大幅下落、物価水準はコアコアCPIやデフレーターをみれば依然としてデフレ、そしてCPIでみれば物価上昇(=名目所得が伸びてない中では懐が痛むだけの話)、完全失業率の再度の上昇‥‥で、いったいこれを毎回毎回せこくシナリオを下方修正していき、いつまでも「シナリオ通り」と詭弁を使い、「フォワードルッキング」を重視するといっているけれども、それはどこ見ているのか? 

 経済学以前のただの「常識」でみれば一目瞭然の戯言でしかないのに、妙なことに日本では日銀担当の記者たちも、そしてエコノミストたちの多くもこの種の「常識」を語ることさえしてない。この事態が、あまりにもくだらないのでこのブログでも日本銀行や政府のマクロ経済政策をあまり言及するのが馬鹿らしくなっているここ1年ばかりである。

 まあ、総裁の書いた本を「いままで読んだ最高の経済書」と感涙を流すのは個人の趣味と経験にお任せするが笑、少なくとも経済学を知らなくてもわかるこの日本銀行の態度(一部は相変わらずの後追いでの景気見通しを続ける政府の責任もある。このブログの過去記事などをみればわかるように去年の前半には景気の下方転換はわかっていたはず)こそ「いままで見た最高のペテン」という所以である。

 なお以下のエントリーの参照をお願いしたい
 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080121#p4
 yanoさんのエントリーもあわせて
 http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20080124/p1