Daniel M. Wegner のThe Illusion of Conscious Will

The Illusion of Conscious Will (MIT Press)

<山形さんの感想>Wegener本、読みました。まんまです。世の中、行動に意志は不可欠ではありませんわな。たとえば催眠術にかかった人とか、手足が勝手に動いてしまう人とかいますよね。逆に幻肢のように、意志があっても行動がおきないこともある。したがって、意志が行動の原因となったりするわけじゃない、意志というのは別に行動にとって不可欠でもなんでもないものだ、というのが著者の主張です。意志というのは、体験としては存在するが、それはあくまで後付の説明でしかない、一種の幻想だというのが要旨になります。ただし、意志という体験は、幻想として脳が創り出したものではあっても、それがあることが重要な役割を果たしてる、と著者は主張します。うーん、読んで何か目からうろこが落ちたような気はしません。「そういう言い方もあるかもね」くらいの印象です。