三木清解釈について言語は異なるが(町田氏はポストモダン的)、たぶん考えてることは僕とそんなに違わない予感(特に三木のロゴスとパトスの統一という閉域を明記しているところ)。ただ町田氏の「大東亜」戦争観とそれに伴う京都学派“右派”への厳しい批判は僕とは違うな。
米谷匡史さんの「三木清の「世界史の哲学」−ー日中戦争と「世界」」という論説も数日前に読んだが、両方とも三木清を中心として昭和研究会の意義を解明する力作といっていいでしょう。ところで町田氏の三木清論で気になっているのがルカーチと三木との関連。これについては住谷一彦先生の『三木清』(筑摩)の解説論文やルカーチ表敬訪問をもとにした『ルカーチ著作集』所収の長大な座談会を参照しなくてはと思った。