アルゼンチンのミレイ大統領の経済政策観とインフレ対策からみえる清算主義的な要素

アルゼンチンのミレイ大統領の経済政策を支えるのはリバタリアンの経済観である。

以下のnoteはそこを適切にまとめていて参考になる。もちろん僕自身はリバタリアンの主張には批判的に距離を置いている。ポイントは「市場の失敗」を国家主義社会主義が侵入する経路扱いしているところか。

「自由のための戦いを諦めてはいけない」~ミレイ大統領CPAC演説全文 |自由主義研究所 (note.com)

バスティア、ロスバード、ヘンリー・ハズリット、ヘスース・ウエルタ・デ・ソト、イズラエル・カーズナー、ハイエクシュンペーターらが出て来て経済思想史的にも面白い講演である(繰り返すがその内容には僕は批判的ではある)。

 

さてこのミレイ大統領の経済政策だが、国内的には財政再建とインフレ対策になっている。ただインフレ対策は補助金打ち切り、利下げというインフレ受容的な金融政策でこれはインフレによる清算主義的な動きにも思える。

 

最近のインフレについては、以下

アルゼンチンの物価上昇率276%に 33年ぶり高水準 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

またミレイ政権の政策やその課題については以下の西濱徹氏の論説が便利。

アルゼンチン中銀が突如利下げに舵、「壮大な社会実験」の行方は如何に ~インフレ抑制への当局の自信の現れか、金融市場の期待と裏腹に国民生活は厳しさを増す展開~ | 西濵 徹 | 第一生命経済研究所 (dlri.co.jp)

アルゼンチン、金融市場やIMFは改革姿勢を評価も現状は困難が続く ~IMFも指摘する通り経済改革の実現のハードルは高く、現状は慎重に推移を見守るしかないか~ | 西濵 徹 | 第一生命経済研究所 (dlri.co.jp)

アルゼンチン・ミレイ政権が始動、「初手」はショック療法から ~宣言通りの「ショック的」な手法を矢継ぎ早に打ち出す、壮大な社会実験の行方が注目される~ | 西濵 徹 | 第一生命経済研究所 (dlri.co.jp)