「数学者たち」など白黒の肖像写真集で有名なマリアーナ・クックが、ロバート・ソローに勧められて撮影した経済学者たちの肖像写真集が出版されたそう。僕はまだ手に入れてないが、『まっとうな経済学』などで有名なティム・ハーフォードがフィナンシャルタイムズに紹介文を書いていて、そこに一部の写真も掲載されている。
The changing face of economics
肖像の変化から経済学の変化がわかる感じなのかもしれない。女性や実務家の進出、そしてハーフォードも触れているように、経済学が20世紀終わりまでの三大特徴ー最大化を目的とする合理的選択、一般均衡的な理論の偏重、効率化の重視、は急速に変化している。行動経済学の興隆でもわかるように非合理的な選択や、また今年のノーベル経済学賞でもわかるように大規模なデータを処理した実証分析の優位などがそれだ。ただし経済学はいまも変化している。これから先はまだわからないという意味ではチャレンジに富んだ世界なのかもしれない。
ところで個人的にはコルナイの写真が好きである。あとはアメリカの経済学者は、若いほど誰もなんだか妙に成金的な、権威主義的な雰囲気を醸し出していて、そこは興味深い。