特に日本人による経済啓蒙書の類*1では頭が捻りすぎてスジを違えそうな岩波書店の出版物の中で、最近出たもっとも良質の経済書。
本書の冒頭にあるように、よくある大部の経済学教科書との対比を意識してて、発展途上国の問題、環境問題など、現実的な話題の中で経済的思考を問うものになっている。同様の啓蒙書では、例えば僕がよくお手本にしているハーフォードの『まっとうな経済学』などがあるのでそれと併用して、その後で経済学の割とスタンダードな構成の教科書(マンキューの下に上げたもの)をやるといいんじゃないか、と思う。
ところでこのダスグプタの本のシリーズにビンモアのゲーム理論の本もあり、この本は名著なので早く翻訳が望まれる。
- 作者: パーサ・ダスグプタ,植田和弘,山口臨太郎,中村裕子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: 単行本
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- 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,柳川隆,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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『まっとうな経済学』は、手前味噌漬けだが、僕の『不謹慎な経済学』の直接の見本。あと『超整理日記』とか。『ヤバい経済学』じゃないんだよね。
- 作者: ティム・ハーフォード,遠藤真美
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2006/09/14
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Very Short Introductions: Game Theory
- 作者: Ken Binmore
- 出版社/メーカー: Oxford University Press (Japan) Ltd.
- 発売日: 2008/01/01
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*1:昨日のベスト100にランクインしている本でいえば、『反貧困』、『金融権力』、『不可能性の時代』(経済書か?)、『ルポ 貧困大国アメリカ』などをあげれば十分わかることかと思います