安倍首相「最低賃金を、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要」

 24日の甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨で明らかになった安倍首相の最低賃金の連続的な引き上げ方針は全面的に賛成する。ただし名目GDP成長率の目標が低いため、それを引き上げたうえで、ここ数年は3%以上の引き上げも見据えていくのが望ましい。これは名目GDPを拡大するマクロ経済政策と名目賃金の継続的引き上げにコミットするケインズ型の政策であり、当ブログでも相当昔から支持している政策である。

 なお現状は798円であるので1000円に到達するには相当の努力が必要であり、それを担保するのは首相の説明のとおりに名目GDPの拡大とが相互にすすむことが必要になる。正のフイードバックが必要。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/1124/interview.html
から甘利大臣の言による首相の発言部分抜粋
「名目GDPを2020年頃に向けて600兆円に増加させていく中で、昨年12月の政労使合意に沿って賃金上昇等による継続的な好循環の確立を図るとともに、最低賃金についても、これにふさわしいものとしていかなければならない。そのためには、最低賃金を、年率3%程度を目途として、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていくことが必要である。これにより、全国加重平均が1,000円となることを目指す。このような最低賃金の引上げに向けて、中小企業も小規模事業者も生産性向上等のための支援や、取引条件の改善等を図る。厚生労働大臣経済産業大臣には、最低賃金の引上げに向けて、しっかりと対応していただきたい。産業界におかれては、中小企業の取引条件の改善について、一層の協力をいただきたい。」