個人的なメモとして作成。
今年現れたすべてのアイドル評論の中で読むべきものを探してみようかな。今年はアイドル論は数量的には低調だったようにおもう。「論」ではなく「紹介」は多数あれども。
【中森明夫】
中森明夫さんの発言はわりとまめに追ってたので、「中森明夫ロングインタビューin『週刊読書人』4月24日」、中森明夫「人間・このアイドル的なるもの」in『福田恆存: 人間・この劇的なるもの』、川瀬泰雄・中森明夫・クリス松村「山口百恵の『秋桜』を語ろう」in『週刊現代』10月24日号。そしてなんといっても『寂しさの力』(新潮新書)でしょう。
- 作者: 中森明夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/03/14
- メディア: 新書
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【岡島紳士】
岡島紳士さんのアイドルについての発言はかなり膨大。その過半がたぶんここに収録されている(?http://idolnewsing.com/ いまのアイドルの状況を知りたければ彼をおさえるのが最も手っ取り早い。「アイドル」概念が周辺から溶解しているがそこをおさえるこころみもしている。
そのような既存の「アイドル」概念の溶解現象を端的に表現した論説は、
グラドルとは何か (前編http://tokyogirlsupdate.com/gravure-idols-part1-20151063255.html
後編 http://tokyogirlsupdate.com/gravure-idol-part2-20151163977.html
手前味噌だが、僕もこの「アイドル」の溶解現象を、フェチ的な視点をからめて七菜乃さんの活動で追っている。去年書いたものだけど以下を参照。特殊モデル七菜乃とデフレカルチャーの経済学http://biz-journal.jp/2014/09/post_5917.html 今年はフェチフェスも行ったなあ。現代文化を抑えるには必修
【姫乃たま】
この「アイドル」の溶解現象を当事者がかなり突き放して書いた話題作が、姫乃たまさんの『潜行』(サイゾー)。ただし「評論」といっていいのか、「評論」自体も溶解しているといわれればそうかもしれないがw。
- 作者: 姫乃たま
- 出版社/メーカー: サイゾー
- 発売日: 2015/09/22
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【さやわか】
さやわかさんのアイドル論も旺盛だった。単著では、おそらく2015年はさやわかさんの『僕たちとアイドルの時代』(星海社新書)が、中森さんの本と並ぶ代表的なもの(単行本ベースではアイドル論はきわめて低調な年だった。同著のインタビューは以下http://realsound.jp/2015/03/post-2676.html
- 作者: さやわか
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「さやわかの『Billboard Japan Hot100』チャート分析」http://realsound.jp/2015/11/post-5179.html … そもそもネットの文字情報に傾斜しすぎるのあれなので、さやわかさんのゲンロン講座のシリーズも参考までにhttp://ch.nicovideo.jp/genron-cafe/video/so25767878 … 他の回。
【上野泰也】
さやわかさんは『僕たちとアイドルの時代」でアイドルの興隆と景気循環の相関に否定的な発言をしていたが、それに反する実証分析が、上野泰也氏によって展開されているのも一種の事件(元のアイディアは僕)『トップエコノミストの経済サキ読み術 』。
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【助川幸逸郎】
アイドル論で目立つものないな、と思ってたらいきなり出現した小泉今日子論。助川幸逸郎氏の『小泉今日子はなぜいつも旬なのか』 (朝日新書)。小泉今日子氏も書評集を刊行。立ち読み(笑)したけどさすがに別次元視点のものだった。あとで買うw
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【吉田豪】
吉田豪さんのアイドル論。よく読むのはTOKYO BREAKING NEWS。ちなみに「アイドルとは吉田豪にリツイートされてた人」という定義も可能かもしれない。岡田斗司夫愛人問題も岡田氏のアイドル化を一層加速化させただけという見方もできる。
反安保・反原発の制服向上委員会は誰にやらされているのか|ほぼ週刊吉田豪http://n-knuckles.com/serialization/yoshida/news002054.html
制服向上委員会は結局、誰にやらされているのか|ほぼ週刊吉田豪http://n-knuckles.com/serialization/yoshida/news002055.html
北方領土をテーマに歌うローカルアイドルを発見|ほぼ週刊吉田豪http://n-knuckles.com/serialization/yoshida/news002115.html
紙媒体でネットに流れてきてないのはよくわからない。
【栗原裕一郎】
栗原裕一郎さんのアイドル論も相変わらず手堅く、他者がやらない領域を見つめ続けている。
花澤香菜は第2の松田聖子となるか? http://realsound.jp/2015/04/post-3050.html
リアルなアイドル小説 http://hotweb.tokyo-np.co.jp/3books/201506-2.html
【香月孝史】
香月孝史氏のアイドル論は以前単著を酷評したがw、乃木坂46論など参考になるものが多い
乃木坂46論 http://www.seikyusha.co.jp/wp/rensai/nogizaka46 …
『アイドル論考・整理整頓』アイドルの「恋愛禁止」は守り続けるべきものなのか?http://realsound.jp/2015/06/post-3615.html
【宇野常寛】
宇野さんもポイントになる局面では興味深い発言を連弾。特に展望的な書き方に特徴がある。
アイドル文化占う「卒業」http://www.asahi.com/articles/DA3S11842071.html
「松井玲奈とSKE48の8年間」吉田尚記・宇野常寛が語る松井玲奈の卒業 http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar861358
第二次アイドルブームの行方 座談会 岡島伸士×さわやか×濱野智史×宇野常寛
朝日新聞出版×PLANETS 文化時評アーカイブス 2014-2015
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- 作者: 宇野常寛
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【矢野利裕】
矢野さんの論説も同時代をクリアにカットしていて勉強になる。
国会前でシルヴィア・ストリプリンが流れたことについてhttp://www.ele-king.net/columns/004744/
A.B.C-Zが紡ぎだす、ジャニーズの音楽史ーー新作に引き継がれた“50年前の夢”とは?http://realsound.jp/2015/10/post-4828.html