日本銀行の政策決定の評価(2015年10月30日)

 さて今般の経済指標と日銀の今日の政策決定を、以下の視座から評価すると、1)コアコアCPIや雇用は改善が続く、2)しかし消費の減少が続き、「イワタ式景気予測」などの先行判断では悪化。3)日銀のコアCPI目標とリフレ派のコアコアCPI目標のずれと、その評価のむずかしさ。日銀のインフレ目標はコアCPIを中心にする(これだけではないのは注意必要)ので、これの達成が先送りされているならば、かなりの問題。だがコアコアCPIをみると0.9%と改善が続く。4)リフレ派の多くはオーカンの法則とフィリプス曲線を組み合わせることでだいたいの構造的失業を見出してきたし、また僕らは「構造的にみえるが循環的な失業」にも注目してきた。それでいうと日銀の3%前半の構造的失業の現状での採用は問題である。雇用の現状での改善余地は大きい。一応まとめると、(中国などの海外要因をとりあえず後回しにすると)現状の経済状況は楽観的な部分と悲観的な部分が両方あってそれが判断のむずかしさを招いている。他方で今日の追加緩和があるなしにかかわらず、目標をいたずらに後ろ倒しするという姿勢や雇用の現状評価は深刻な問題につながる。