アクセル・レイヨンフーヴッドの「回廊」モデル雑感

 アクセル・レイヨンフーヴッドの「回廊」モデルの誤用になるかもしれないけど(笑 中央銀行と政府が政策的に協調してその枠組みの中でインフレ目標など中長期的な期待のアンカーを設定することは、レイヨンフーヴッドの「回廊」corridorを強化することになると持っている。

 レイヨンフーヴッド自身は僕より数段、資本主義経済の不安定性について深刻視しているし、インフレ目標についても悲観的みたいだけど。

 「回廊」モデルについては、この論説参照。http://econ101.jp/%E3%82%A2%E3%8%AF%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%83%E3%83%89-%E3%80%8C%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AB%E3%81%8A/
 中銀と政府の期待のアンカーと経済の安定化については、トービンのhttp://www.jpk.pku.edu.cn/pkujpk/course/gjjx/reading/20_5.pdf 終章参照。

 レイヨンフーヴッドいうところの「摩擦のある安定性」モデルは本当に「現実」と妥当しているのかはなはだ疑問。日本銀行の事実上のデフレターゲットで、「摩擦のある不安定性」の領域にずっと日本は沈められていた。DSGEのモデルの大半は「摩擦のある安定性」だけど例外もあるよ、と。

ケインズ経済学を超えて―情報とマクロ経済 (1984年)

ケインズ経済学を超えて―情報とマクロ経済 (1984年)

Macroeconomic Instability and Coordination: Selected Essays of Axel Leijonhufvud (Economists of the Twentieth Century)

Macroeconomic Instability and Coordination: Selected Essays of Axel Leijonhufvud (Economists of the Twentieth Century)