浜田宏一先生の消費税問題についてのつぶやき

 僕も参加しているメーリングリスト浜田宏一先生が、いまの日本での消費税問題についてつぶやかれたので、転載可ということですので以下に全文コピペします。

皆様、理論家のつぶやき。

完全雇用の元ではケインズ的な分析が有効でしょう。
ただし潜在成長が達成されてしまうと、税の死重負担が生じますから、ハーバーガーの三角形の損失が生じ、これは税の増加分の自乗に比例します。

消費税でなくても、税は一般に[反]成長戦略なのです。財政事情のため、しかしsecond best として増税しなければならないときもあります。

 いまの日本は当然、不完全雇用(今の失業率は4.1%で、ケインズ的な意味での失業が解消されるには少なくとも3%台前半まで低下する必要があります)ですから、ケインズ的な分析によれば、増税有効需要を減少させ、不完全雇用を増加させてしまいます。

 ちなみに内閣府の試算を単純に考えても0.9%ほどのGDPの引き下げ効果が発生してしまうのです。この数値の基礎となる内閣府モデル自体は、浜田先生の言及されてるケインズ的な枠組みとは必ずしもいえず、むしろその引き下げ効果はより深刻である、というのがケインズ的な立場に立つ人たちの共通理解でしょう。不完全雇用が継続する中での増税は間違いだと私は思います。不完全雇用解消後については、「財政事情」をどう判定するかで議論がわかれるのではないでしょうか。

アメリカは日本経済の復活を知っている

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