「やったふり」の産業政策より人手不足状態を維持した方がロボット産業の振興に役立つ(飯田泰之『Voice』8月号論説)

 実際の題名は「「やったふり」の産業政策をやめよ」ですが、論説中で例示されている、政府のロボット産業政策への批判を要約するとブログの標題のようになります。政府の成長戦略の大半が「何かをしているようなふり」をしているものであること、またロボット産業の「振興」についても政府や有識者たちが勝手な想像で「五か年計画」みたいなものを作成して無責任な将来ビジョンがロボット産業の成長に枠をはめることにならないことを飯田さんは懸念しています。

 というか、論説でも書いてありますが、政府の「やったふり」成長戦略の話がどんなにでてきてもマーケットは無反応で、記事がないだけのマスコミがとりあげるだけで、とうに国民からも足元を見透かされてるだけなのですが。

それと人手不足を悪いことのようにとりあげるマスコミが多いのですが、むしろ人手不足の状態こそが経済を効率化するチャンスであり、そのことをも飯田さんの論説は指摘しています。そして人手不足を継続させる政策は政府にできる余地と能力が求められるものでもあるのです。

 今号の『Voice』は経済関係が乏しく、ちょっと全体的に停滞した号でした。