チャンネル桜の経済討論。今回の話題はかなり深い。視聴者は自ら考える素材になっている。なにが国民生活を改善するのか、経済の論理の基本から考える必要があると思う。
youtubeはこちら
http://www.youtube.com/watch?v=GLmYiHTIBvw
http://www.youtube.com/watch?v=QCRm-F60eDY
http://www.youtube.com/watch?v=J6JAJ3PwcO0
ニコニコ動画はこちら
http://www.nicovideo.jp/watch/1377857184
http://www.nicovideo.jp/watch/1377858224
http://www.nicovideo.jp/watch/1377857308
いま書いた経済の論理の基本とは何か。それは厚生経済学の基本定理に集約される。
1 あらゆる競争経済はパレート効率的である。
2 あらゆる効率的な資源配分は、初期時点の適切な再分配をともなう、競争的市場メカニズムによって実現される。
これを理解することが重要だ。参照:スティグリッツ『公共経済学』、スティグリッツ『ミクロ経済学』など。
これをわかりやすく書き下すと、ルイジ・ジンガレスが『人びとのための資本主義』で書いた次の言葉になる。
「資本主義は所得不平等をもたらす。大衆は一般に、その不平等が過剰なものではなく、全員に益するシステムの一部と見なされ、最も重要なことには大多数の人が「公正」だと考える原則で正当化されている限り、受け入れる。競争的な自由市場のシステムはこれら3つの条件を満たしている。競争は、異常な利益が生じる可能性を抑え、そうして所得不平等も抑える。競争は、消費者が確実にイノベーションの便益を得られるようにする。競争は、効率性ひいては業績主義という、最も多くを怠ける者に責任を与え、そうして報酬が正当な褒賞と見なされるシステムへと向かう圧力を生み出す。競争がもたらすのはそれだけではない。消費者に選択の自由を与えもする。消費者は売り手を変更できることで、高値をだまし取ろうとする企業から自衛できるのみならず、福利が最大化されるようにもなる。企業は、事業を継続するために顧客に最も有利な条件を提示することになるのだ」
このビジョンが基本だ。もちろん現実にはこのビジョンがみたされないことが多い。それがどんな障害、どんな条件なのかを深く考えること、そうすれば、今回の放送について、僕がtwitterでつぶやいた、財務省の次の罠も脱することができる。
<経済討論では「消費税増税は景気が悪くなる」というロジックが逆手にとられて、財務省の「では、増税するけど同時にそれ以上に減税と公共支出しますから景気に無問題」という「純」減税路線の前ではドツボにはまることが、メイン。さてあなたはこの罠を脱する思考を得られるか?>
- 作者: ルイジ・ジンガレス,若田部昌澄,栗原百代
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