クルーグマンを利用している嘘つきたち

 10年以上、似たような光景を目にしているが、またもや反リフレというかデフレ志向の人たちの「デマ」「確信犯的な嘘」の流布が止まらない。理論的・実証的そして現実の単純な観察のいろいろな側面で、反リフレ的な人たちが合理的な推論で負けている状況があると思う。

 最近では、「人口減少デフレ」とか「金融政策に依存しない名目経済成長率目標」(ただのバカだが)、「ハイパーインフレ」「日本人はデフレ好き」などがネットなどで流布している。こういった理を尽くすものよりも、単純な印象操作をてこにした脱デフレ「批判」は、素人やまたなんらかのこだわり(イデオロギー)を持つ人たちがとくにひっかかってしまっているものだ。

 さてその最新のモードは、以下のふたつの論説を舞台にしている。「嘘」だ。

 以下では原文と正しい訳文のリンク先を貼っておく。

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2013/01/post-d30c.html
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/264

 このクルーグマンの最近の日本についての論説で以下のような解釈が目につく。

 1)金融政策の効果を否定、2)(クルーグマンが)アベノミクスを批判とか揶揄している、3)日本の財政危機を心配

 これら3つは、はいずれも誤解か、確信犯的なデマである。こういうものを無責任にRTしたり言及する人たちの知的誠実性は事実上ゼロに近いと思う。

 リフレをつぶしたいという政治的あるいは個人的な思惑が先行しているこの状況こそ、日本を20年停滞させている、根拠なき妄想だ。

 ちなみにうえのリフレとはデフレを脱却して低インフレ状況にし、経済を活性化させるもの。いまはこの基本的な知識さえないまま、リフレ批判を書くひとがあまりにも多い。まさにいまの最大の障害は、そのような知的怠惰に便乗した悪しきものたちの策謀だ。