宮崎哲弥「日本という“悪い”場所」『宮崎哲弥の時々砲弾』in『週刊文春』1月3日10日合併号

 いま店頭にある『週刊文春』の宮崎哲弥さんの論説です。日本銀行問題をめぐるマスコミでよくみかける主張への反論を書いています。内容は全面的に賛成です。ぜひ一読お願いできればと思います。「安倍首相の大胆な金融緩和などは日本銀行の独立性を侵犯する」、だとか「日銀法の改正に物価の安定に加えて雇用最大化をいれるのはおかしい」とか「金融緩和をやっても物価があがるだけ」とか「モルヒネ的な景気浮揚策ではなく、潜在的成長率の引き上げを図れ」とか、そういうよく見かける俗説に、宮崎さんは論理と証拠でわかりやすくそれらが誤っていることを書いています。岩田規久男先生の『新潮45』の論説と一緒にぜひ手元に保存していただきたいですね。

 ここでは簡単に「モルヒネ的な景気浮揚策ではなく、潜在的成長率の引き上げを図れ」についての宮崎さんの批判をご紹介します。この部分の詳細も本誌を読んでください。

1 潜在成長率は資本、労働力、技術力などがフル稼働されたと想定したときの成長率
2 これを高めてもデフレ脱却とは無縁。むしろこれを高めること自体はデフレを悪化させる可能性もある
3 そもそもこの潜在成長率は仮想の数字で0.5〜2%までばらつきがあり、安定した政策目的にはむかない。ちなみに宮崎さんは潜在成長率は2%前後と見積もっていて、これは僕の意見としてもそれくらいです(参照:『デフレ不況』など)。

ぜひ一読ください。