ダニー・ラフェリエール『ニグロと疲れないでセックスする方法』

 藤原良雄社主から頂戴しました。ありがとうございます。小包を開けてまず題名にはっとした。80年代の国際都市カナダのモントリオールを舞台にした若い黒人男性ふたり(移民のふたり)と周辺に住んでいる白人の女の子たちとのセックスと性的な妄想の日々をときにはコラージュ風の文体、時には哲学的な思索を混在させながら、しかも軽快なリズムで書ききっている。面白い。この雰囲気は、作者もたびたび言及しているヘンリー・ミラーの初期作品『暗い春』『愛と笑いの夜』などを思い出させる。しかもそれよりも格段に、僕らの現代に近い。

ニグロと疲れないでセックスする方法

ニグロと疲れないでセックスする方法