編集から頂戴しました。ありがとうございます。ついに四連続サンガ投稿です(笑)。最新刊の12号は、毎号思うのですが、こういっては失礼ですが、俗界に煩悩ありまくりな人たちといいますか、かなりクセの強い人選で対談やインタビューが構成されてますね(僕に言われたくないか 笑)。今回もしりあがり寿、田口ランディ、石井光太、福岡伸一氏らの個性が光ります。
しりあがり寿氏のインタビューは彼の作品世界で感じる無常感がやはり大きなテーマでしょうか。特に災厄ものともいえる『方舟』『ジャカランダ』など、そのような無常感が顕著です。インタビューでも「生きてることがレアケース」という彼の人生観との関連からその面に光が当てられてますね。田口ランディさんはこのまえ、尊厳死のシンポで初めてお話を聞きました。作品はまだ読んだことがないのですが、今回の対談中では、禅僧の方よりも彼女のエピソード(お兄さんの自死)に心が騒ぎました。また石井氏と気仙沼の住職片山秀光氏との対談は、震災以降の気仙沼の状況を伝えるものとして心が痛みます。
論説なのですが、末木文美士氏の「震災後と仏教の語り」がとても優れているように思えました。大震災についてのアムボムッレ・スマナサーラ氏とダライ・ラマ氏の両者の被災した人々へのメッセージを利用して、いまの仏教がどのように世界の現状とむきあっているのか、その思想的ともいえるするどさを伝える内容になっていると思います。非常に勉強になりました。
- 作者: しりあがり寿
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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