作家石原愼太郎の作品を僕もすでに何十作となく今年読むことになりました。きっかけは豊崎由美さんと栗原裕一郎さんの毎月やってる石原愼太郎研究トークイベントに参加したことです。で、今月23日は中森さんも参戦(詳細はこちら)。俄然学習意欲が高まります。石原愼太郎を研究することは、日本の戦後の文学、政治、風俗を学ぶことでもあります。
この最新の対談も面白い。対談中で樋口さんが語っているように、中森さんが『石原愼太郎の文学』の第九巻に寄稿された解説はともかく深い。ぜひ文学に興味のある人は読んでおく基本文献だと思いました。
この対談でも中森さんの洞察はするどい。以下の発言は思わずラインマーカー引きました。
「中森 物書きって、単純に毎朝夕の通勤電車に乗らなくていいということだけでも、ある程度の自由が許されていて、それがものの表現に反映される。日本の社会は欲望が肯定されないし、他人に対して嫉妬深くて、ものすごい窮屈。でも、自由が制限されているときに、制限されてない人間ーーそれは勝新太郎なんかもそうだと思うんだけどーーが表すものを見たい。その究極の形が慎太郎だと、僕は思う」
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