問題の切り分けが大切ー景気対策とインフラ整備ー

 twitterでつぶやいたものを昇順に構成したもの。

 初歩も理解してない人のパターンは、問題を切り分けられないこと。港湾や道路などの社会資本整備と、デフレ脱却のための金融政策のスタンスの変更が基本的に別問題だと理解不能。なので、金融政策のスタンスを変更すれば、「港湾や道路も自然にできると田中は思ってる」と意味不明なことを書いてしまう。


 例えば港湾や道路などの社会資本整備が、費用便益計算(&いくつかの基準勘案)で作るのが望ましければ、それは失業の改善のあるなしとは別に行うべきだろう。例えば100人の人間がいてその人たちがすべて就業していても、道路整備が上の基準を満たせば、それを行うことは許容される。

 どうも不思議なのは、金融政策のスタンス変更がデフレ脱却に決定的に重要だ、というと、まるで「社会資本整備がいらないというのかあ!」と唸る動物みたいな人たちが増えること。たとえ仮想的に財政政策の効果がゼロでも、別にそれが社会資本整備を行わない理由にはならないんだが。

 あと同じく意味のわからない比較は、例えば民主党子ども手当(現在は廃止)と、自民党の国土強靭計画を、景気への効果で比較してその優劣を競うもの。政策目的の違うものを、無理やり同じ基準で比較している愚の骨頂。子ども手当は、子供を抱える家庭への経済的支援が目的。その見地で考えればいいだけ。


 子供手当が、子供を抱える家庭への経済支援が目的であれば、所得制限とかが政策目的からいうと意味不明な制限だということもわかる。経済学でなくても『失敗の本質』に書いてあるように、日本の政策の失敗の多くは、政策目的があいまいであること、目的と手段の割り当てがきちんと理解されてないこと。

 同じように、防災原則や費用便益分析で、必要だと判断された道路や港湾などの社会資本整備があれば、それが景気対策に効果があるかないかとは関係なく、行う必要がある。なんでこれに一々、景気効果を勘案しなくてはいけないのか? なくてもいいじゃないか。ないと 「心」でも満たされないのか?

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

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