「日銀OB「天下り」の実態」高橋洋一

 本日の『夕刊フジ』の連載から。この連載ももうすぐ100回! すごい知的営為だ。

 先日、このブログでもお伝えした日銀の天下り問題について高橋さんが書いています。

 宮崎岳志議員の先の国会での質問で、短資会社や地銀の経営者に多くの日銀OBが天下りしている実態が明らかになりました。また高橋さんは日銀OBのエコノミストやアナリストは日銀からの情報収集を期待されている。日銀はインフレ目標などのはっきり外部からわかる金融政策のアンカーをもっていないので、次の手がよみにくい。「このため、日本の金融機関は日銀との人的関係をより求めがちになっている」。

 また高橋さんは、日銀が優位をもっているシステム構築について、システムと関連の深いシンクタンクに日銀幹部OBが天下りしていることも指摘しています。これは僕のTwitterのつぶやきをみればどのシンクタンクかあたりをつけることができるでしょう。

 さらに金融研究所や研究会などでの経済学者たちへの『便宜」の存在も指摘しています。特に「学者へは本体組織だけではなく外郭団体を含めたところからの研究資金が出されたこともよくあり、日銀の“御用学者”が形成されている」としています。

 これも僕自身かって某省で大学院生レベルにもかかわらずその種の「便宜」を提供されたことがあり「当然」ありうることなのです。ちなみに僕はそのときそれを断って、紹介者の人を猛烈に怒らせたことがあります。そういう人間関係のしがらみで、「便宜」を断れずにするずると“御用学者”予備軍が形成されていくのでしょう。別にこれは“御用学者”というレッテルにこだわらなければ周知のことでしょう。

 「また、マスコミに対して日銀は「小ネタ」をしばしば提供する。霞が関では記者クラブ制は崩れつつあるが、日銀クラブでは日銀とマスコミの親密関係がまだ続いている」。

 私見ですが、少なくとも短期金利の上下に直接その本業の損得がダイレクトにかかわる短資会社に、日銀OBが天下るのは規制してしかるべきでしょう。全廃が妥当だと思います。

 しかし高橋さんのこの連載はこれから毎日読もう。すごい体力と知力。