藤井財務大臣と高橋是清

 よくテレビを見てなかったですが、藤井財務大臣高橋是清のファンだとかいってなかったですか? とりたてて新聞などでチェックする動機がいまは湧かない。もう日本国民の大半99%は忘れたろうけど、かって宮澤喜一元首相が三顧の礼で大蔵大臣になったときに、メディアは「平成の高橋是清」といったが、実際には彼は積極的な金融政策の芽をつぶすことに積極的だった以外は何かしたのだろうか? 結果的にみれば塩爺の方が格段に業績を「高橋是清」風に残している。要するにファンだとかマスコミのレッテルだとかどうでもいいように思えるのだが、やはりせっかく政権が船出するので、とりあえず期待ぐらいはしないと健康にも悪いかもしれない 笑。

 以下は岩田先生が、高橋是清の政策を現代に適用すべきだ、とした趣旨をのべた問答を再録したものである。下をみればわかるように、日本銀行という官僚組織そのものをちゃんと相手にするか、毎度、日銀の独立性を持ち出して財務大臣や政権自らが自主規制するか(苦笑)、そこが本当に民主党が官僚組織と戦うという国民向けの宣伝を真剣に実行にうつすかどうかもわかる。まあ、いまのままだと99%の確率で自主規制路線をいきそうだけど。あと公的金融機関の改革も(政権が宣伝に使ってる)官僚の天下り対策では避けて通れないはずだけど、亀井氏をいれてることでこれまたわけわかめな展開になるのに100万バーナンキ

高橋財政の場合は、国債が民間に出ていかなくて日銀が買っておカネが政府預金となり、それを基に財政支出した。銀行にではなく非銀行部門に直接おカネが出て、効果は早い。現在の経済状況がここまでくると、同様に日銀の直接引き受けにしたらいいのではないか。

――法律上、国債の日銀引き受けはできないのでは。

 私もそう思っていたが、実は現行法でもできることを最近知った。確かにいまは財政法で日銀は直接に買ってはいけないとなっている。ところが財政法には国会の決議で日銀に対して国債を発行できるとある。そして日銀法にもそれを受けて直接引き受けていいと書いてある。つまり緊急事態だとして国会さえ決議すればいいのだ。法律改正しなくてもよく、苦肉の策の政府紙幣より早く実行できる。

――実際にはどのように実行するのですか。

 本年度の国債発行額は年間40兆円台になる。上限をその40兆円と決めてもいい。期待インフレ率は、物価連動債と普通の国債との利回り差でだいたいわかる。実際にはインフレ率はきわめて低い。それを参考にしながら毎月国債を買う、言葉を換えれば日銀が引き受ける。いまアメリカが月に4兆円ぐらい、イギリスが3兆円ぐらい、日銀はその間の額でいく。日銀には従来の国債オペもある。長期国債を直接引き受ける前提で、オペ額を算段する。さらに必要なら、社債やCPの購入も決めていけばいい。