住谷磬先生

杉原四郎先生のご葬儀の帰り、京都駅に新幹線が着いたときに、住谷一彦先生が乗り込んでこられ、そこで住谷磬先生(同志社大学名誉教授)がお亡くなりになったことをお聞きしました。大変ショックでした。驚きの方が大きく、また乗車時の混雑ゆえに落ち着いて詳細をお聞きすることができませんでした。住谷磬先生には、私の処女作であり、またお父様の評伝でもある『沈黙と抵抗 評伝・住谷悦治』の京都での取材を含め、さまざまなご助力を賜り、それがなければ私の処女作は全然違った中味の薄いものになってしまったと思います。お聞きするお話も日本の知識人社会の裏面史を語るかのようで興味が尽きず、また独特の人情味とユーモアがある方でした。住谷悦治評伝を含む三部作にまた返しきれない負債を負った気持ちがします。

 どうか安らかにお眠りください。