岩田規久男・若田部昌澄論説を読んで:高橋財政の教訓を直接活かせ

 岩田先生と若田部さんの今週の『週刊東洋経済』の論説「「高橋財政」に学び 大胆なリフレ政策」をですが、やはりこのブログも曲がりなりにも、きわめて多数のアクセスをいただいていますので、自前でも紹介しておくのがこのブログの意義であるとも思い、(econ2009さんほどの付加情報も洗練されたまとめもないのですが)簡単ですが書かせていただくことにしますね。

 まず最近の政府筋の態度は、財政政策で手をうった→景気は底入れ→さあ、次は財源の話だ という拙速なものとまとめることができるでしょう。しかしこれは当ブログでも指摘しましたが、政府が過去最悪の失業率5.5%を事実上放置する程度の景気対策なのです。いったいこの世の政府のどこにわざわざ最悪期の失業率を実現目標にするものがあるのか、その異常さに驚きを隠せません。もちろん岩田・若田部論説も冒頭でそのことを指摘しています。

 さてまず昭和恐慌期と現代を比較すると、よくある指摘は、「当時といまとは経済の在り方が違う」というものがあります。もちろん違うでしょう(笑)。しかしこの違いを強調する人たちはなぜか当時は金本位制であり、いまは変動相場制である、とか当時は政治的な制約が効いていて、いまはその種の政治的制約はない、という指摘をすることがあります。

 これは間違いもいいところで、むしろそれは当時と現在の「違い」を意味するのではなく、まさに「同じ点」を意味するものなのです。

 これから打ち合わせなので続きは夜

週刊 東洋経済 2009年 6/13号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2009年 6/13号 [雑誌]