経済学史学会全国大会

 最後の若田部・片岡報告のみ拝聴。かなり実証的な部分があったのが驚く。マネーがこの時期効いてて、鈴木淑夫氏ら当時の日銀「異端派」ともいえる人たちと、日銀の伝統的なダム論みたいな主張、それに政治的ファクターのからみみたいなところが興味深かった。塩野谷祐一先生が質問されてて、これは面白い内容だった。さすが、70年代の大インフレ論争の当事者であるだけ洞察力が違う。若田部・片岡報告とは異なる視点からのもので、資本主義体制論と絡ませていた。もう少し時間をかけて、2時間ぐらいは報告してもらい、討議すべき内容があったと思う。その前にもライオネル・ロビンズの報告なども聞きたかったけれども、打ち合わせや原稿締切のからみで日中に時間が割けなかった。まあ、土曜日は毎週、日中はわりときつい時間設定なんだけど。

 報告の後の懇親会に出たのはたぶん10年ぶり? 前世紀の終わり以来かな 笑 先輩やお世話になっている人たちと挨拶するだけで時間をあっという間に消費してしまう。しかしだいぶ人間が入れ替わっている感じがした。今度、10年後に懇親会に来たら「どなたですか?」といわれそうなので(もちろん冗談だけど)これから経済学史研究者の人たちともより活発に交流していかなくちゃいけない、と思った。とりあえず塩野谷先生の本を読んでみよう。