『文藝春秋』「日本最強内閣」大アンケート


 うっかり更新した気になっていたら日を空けてしまった。実はいま、麻生政権後の経済政策というテーマ、そしてそれとは別にオバマ政権の経済政策というテーマの二本で原稿依頼をうけている。前者はソフクリのメールマガジンなので近いうちに、皆さんも目にする機会があるだろう。もちろん僕はこのブログのエントリーを書いてすぐにまた仕事に向かえば、という条件つきだが 笑。


 ただ「麻生政権後」の「後」というのはいったいいつなのか。僕はブログでも書いたが、憲法の規定が許すぎりぎりまでやってもおかしくないと、「西松建設ショック」後のいまでも思っている。というか、あのエントリーを書いたときに、すでにその種のショックが起きることを想定して書いていた(と似非政治評論家風に追記しておく 笑)。実際にありがちなのは、自民・民主双方に政治的な期待感の点で低迷したまま総選挙をむかえ、そして与党側がぎりぎり勝ってしまい、そして民主の方が割れる、というシナリオが最も現実性が高いようにも思える。これは「西松建設ショック」のショックをたとえ、小沢退任で切り抜けても変わらないような気がする。なぜかといえば、民主の代表は本当に特定人物のたらいまわしになっていて、またもや岡田氏の名前があがっている程度で新味に欠ける。顔が新味に欠けてもいいのかもしれないが、肝心の経済政策を中心とした「政権とったら何をやるか」がまったくわからない。わかる人はいるのだろうか? まあ、それは与党がこのまま続いても同じではあろう。なぜ同じかは、与野党いずれが政権をとっても。経済政策の中身が官僚のお膳立てでしかないからだが。だから官僚にもうけがいい与謝野三位一体大臣に期待が与野党ともに集まるのである。与謝野三位一体大臣の選挙区には公務員の支持が欠かせない、それゆえ官僚レディメイドな政策への「理解」に長けているのは十分理解できる。それに乗ろうとしている与野党の政治家は実に多いのだが。なんだかソフクリのメルマガに書く原稿を一部書いてしまっているのでこの話はおいて置こう。笑。


 さてそんなわけで、参考文献として、この寒い夜中に、近所の本屋で『文藝春秋』を購入してきた。その中の特集、「日本最強内閣」が読みたいからだ。この『文藝春秋』には、クルーグマン学をやりたい人は喜びそうなクルーグマンのやたら金融政策も財政政策さえも!効果よくわからない、むしろイノベーション期待、みたいなインタビューもあり、一部の人々の感性を刺激するだろう 笑。


 「日本最強内閣」アンケートなんだが、そこそこ面白く読んだ。ただ個々のアンケートを読めばわかるけど、アンケートを書いた人たちが日常的に親しいと思われる人、仕事を一緒にやったと思う人、ただの憧れw といった基準で選んでいるようであり、あまり客観的な基準はない。あと民間の人への期待大というバイアスも目につく。典型的には首相に奥田硯氏を選んでいることだろう。その点で妄想の域を出ない。


 経済問題に詳しい識者が誰を選んでいるかが、この本を購入したひとつの動機である。高杉良川勝平太加藤寛宮崎哲弥中谷巌、水野和夫、リチャード・クー森永卓郎の各氏であろうか。経済学的に立場が同じな宮崎氏が誰を選んでいるかが一番注目したところである。


 ところで同アンケートには、政治部記者84名の選ぶ最強内閣アンケートがあった。これをみると、財務大臣、金融担当大臣などで、榊原英資氏が両方ともトップ、そして後者で大塚耕平氏が同一位、そして経済財政政策担当大臣が与謝野氏である。


 いまの日本をみれば、誰も経済閣僚の三位一体を真剣に問題にしていないので、本当に三人必要なのかは疑問ではある。まあ、それは冗談として、日本の将来が以下のようになったら、あなたはどう思うだろうか?

 
 財務大臣 榊原英資
 金融担当大臣 大塚耕平
 経済財政政策担当大臣 与謝野馨
 日本銀行総裁 白川方明


 日本の将来を心配することよりも、そろそろ移民の準備でもしたいところが本音ではある。