運よく東洋経済のランキングにも入っている今年のただ一つの著作『不謹慎な経済学』は、題名からよく比較されているような『ヤバい経済学』とか『まっとうな経済学』とかじゃなくて書いているときから意識しいていたのが野口悠紀雄氏の『超整理日誌』だった。
その『超整理日誌』のシリーズの中でも、マンガ版のナウシカ論、それに「幻影としてのケインズ経済学」(ケインズ経済学が現実離れしているよ、という主張)という論説、さらに「経済学者とは何者?」というエッセイが興味深い。
最後のものは、経済学者は常に仮定を好む種族として描かれている。例えば著者とジェフェリー・サックスが箱根にドライブにいったときに、富士山を眺望できる場所にいったらあいにく天気が悪く見えなかったという。そのときサックスが「山があるものと仮定しよう!」と言ったなどと思わず微笑するエピソードや小話が豊富に描かれている。
そして最近、野口氏はいろんなものを仮定しだしたようだ。
「日銀引き受けで25兆円支出増」という思考実験――パンドラの箱を開ける
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/
100年に1度の危機に、ケインズはよみがえるのか?
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10001/
しかし、いまわかったことは、有効需要の落ち込みというメカニカルなメカニズムも、規模が大きければ、現実世界に重大な影響を与えるということだ。われわれがいま直面しているのは、マクロ経済モデルで分析できる事態である。
僕は正直いってこの野口氏の発言は理解できないんだけど、あなたはどうですか?