サットンの方法論の本より
- 作者: ジョンサットン,John Sutton,酒井泰弘,堀出一郎
- 出版社/メーカー: 麗澤大学出版会
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
- クリック: 25回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
その昔、苺経済板という掲示板で黒木玄氏が書いたサットンの例示を、マクロ経済ぽく例示し直すと
黒木曰く
:Sutton の "class of models" は以下のような類似を考えると理解し易いと思う:
熱機関の種類ごとの特殊なモデル ←→ a model
熱機関のモデル全体の集合 ←→ class of models
カルノーの定理とその実証 ←→ "bounds" アプローチの理論的帰結とその実証
:
想定するマクロ経済環境(例:デフレ経済)ごとの特殊なモデル ←→ a model
想定するマクロ経済環境を扱うモデル全体の集合 ←→ class of models (ISLMモデル、小野モデル、クルーグマンモデル、林・プレスコットモデル、エガットソン・ウッドフォードモデル、スベンソンモデル、マッカラムモデルなど)
デフレ停滞脱却法の提示とその有効性(実証) ←→ クルーグマンモデルによる流動性の罠の脱出法(インタゲ)とその有効性(実証)
class of modelsの中でどのモデルが優れているかを選別する基準として、例えば「ルーカス批判」は望ましいか? または「データ」や「政策の有効性」をもって選別すべきか。それとも選別する作業自体がどの程度好ましいのだろうか?(class of modelsが必要なのは単一モデルthe modelでは望みない成果をあげるためであって選別することはその成果そのものをおじゃんにするのではないか?)などなど、いろんな疑問はまた後日。
(付記)対照的な方法論的アプローチ:岩本vsマッカラム