久しぶりに『日経公社債情報』ネタです。末吉さんの論説「日銀ウォッチ 続マクロ経済政策の国際協調」です。たとえばデフレを解消するために低金利によって通貨安になるのは、低金利政策効果の正常な発現のひとつですが、これを「円キャリートレード」論を逆手にとって、(日本にとってデフレ解消に役立つにもかかわらず)通貨安圧力を懸念するのは「理解しがたい主張」というのが末吉さんの主張です。
僕もこのブログでは、しばしば「円キャリートレード」はまともに取り合わないほうが吉ではないか、と書いてきましたが、それを末吉さんが整理していただいたかのようで安心して読み進めることができます。さらに末吉さんは、もし「円キャリートレード」が問題ならば、金利の「正常」化を目指すべきで、しかもそれはデフレの状況の中での金利引上げという「ナンセンス」なことではなく、金利を「正常化」できるようにまずはインフレ率の正常化=プラスのインフレ率を実現すればいい、ということです。
そして世界各国は2%のインフレ目標政策を発動中wなので、日本もインフレ目標の国際協調をすることで、その結果として金利を正常化すればいい、と末吉さんは書いています。グローバルな貯蓄過剰の中でのインフレ目標の国際協調という話としても田中は理解できると思っていますので、この点はこれからもより深く考えてみたいと思います。