わたしの前を通り過ぎていった経済学書2006年度ベスト10


 さて早いもので今年もあと40日あまりとなりました。そろそろいろんな分野で年間ベスト選出の時期になってもおります。以下ではとりあえず年間200冊ぐらい読んできた新刊経済書の中から昨年の11月末以降でたものの中から順位不同でとりあえずベスト10を作成してみました。私の専門分野というよりも一般的な関心から妥当かなと思われる中から選んでみました。皆さんはどうでしょうか。なおさすがに自著『経済政策を歴史に学ぶ』『ベン・バーナンキ』を選ぶのは自粛しました。笑。今年は二冊出版したことになるのか。


1 安達誠司『脱デフレの歴史分析』(藤原書店)
 近代から戦中までの日本経済を「政策レジーム」から総合的にとらえたすばらしい業績。

2 中原伸之『日銀はだれのものか』(中央公論新社
 日本銀行の政策決定の表裏を活写し、なぜ日本で停滞が続いたかまで分析した稀有な書。

3 中島隆之『障害者の経済学』(東洋経済新報社
 いろいろ考えることの多かった良書。

4 エインズリー『誘惑される意志』(NTT出版
 書評書かなくては…遅いってかw 安達本と並ぶ今年の読書体験のベスト。

5 大竹文雄『経済学的思考のセンス』(中央公論新社) 
 某社アンケートは11月1日からなので(しかしそれでいいのか? 昨年とずれるのだがw)本書も(上の当ブログの対象期間外だけど)ランクイン。

6 レビット&ダブナー『ヤバい経済学』(東洋経済新報社
 文句なしの話題作。

7 ハーフォード『まっとうな経済学』(講談社ランダムハウス
 ちょっと淡白な印象もあるけれどもやはり読ませる筆力と着眼点は見事。そのうちもう少し長めの紹介も書きます。

8 増田悦佐『日本型ヒーローが世界を救う!』

 これはいれないとヤバいでしょう 笑。アメコミ論争から光栄あると学会行きを決めた画期的書籍w。

9 メーリング『金融工学者フィッシャー・ブラック』
 中味は疑うことなく非常に傑出した経済思想史の成果であり、金融工学のいい啓蒙にもなっている。ただし注への参照があるのに翻訳には注釈がないというすざまじいミスがある(としか思えない。版元にそういえばまだ未確認ですた)。

10 ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学
 ちょっと軽量級かもしれないけれどもブログ世界の成果として

 注目作品で読んでないものはパーカーの『ガルブレイス』でしてこれについては近いうちに感想を書くつもりです。それと記憶喪失で入れるの忘れてるいい本があれば上の順不同のものちょこっと修正するかもしれません。