森永卓郎の日銀総裁辞任論


 というわけでBaatarismさん経由http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20061020で知ったわけですが、相変わらず福井総裁は個人的な資質でネタを提供していただいたようでうれしいかぎりです。でも日銀の政策の事実上の中味が、政策決定以前から日銀寄りのエコノミストやいろんな人(新聞社の記者など)に意図的にリークされて一種の「地均し」あるいは一種の「報道コントロール」に貢献しているのは薄々気が付きますよね? 気が付いてなかった? 人名・組織一覧表にしろってか? 笑  福井総裁本人がいわなくても、事実上政策判断をリークしている経路があるのは周知のことじゃないでしょうか?? それに日銀やこういった人たちがインタゲみたいな緩やかなルールの採用さえも嫌ってさんざん批判・抵抗して、裁量政策を事実上支持する最大の理由は、こういった政策情報を私的にゲットできる旨みが(インタゲみたいなの採用すると)なくなっちゃうからじゃないんでしょうか? あ、言いすぎ? そらまた失礼w


 さて、森永卓郎さんの新刊『誰がウソをついているのか』(ビジネス社)の日銀総裁ネタ関連のみご紹介。福井総裁スキャンダルがまったく時空の彼方にいってしまいそうな今日、この本の出現の意味は希少価値ともいえるでしょうか。


 例の村上ファンドの資金提供に関連しての辞任要求論ですが、それ自体に新しい論点は追加されてません。このブログでも他のいろんなところでもやたら頻出したネタばかりといえます。ただみんなほとんど忘れているでしょうから(笑 以下に羅列


1 世界中からアイラブユー(ウッディ・アレン)ならぬ世界中から「疑念」なんだから日銀の内規違反
2 参議院質疑での答弁があやしい
3 二月解約のインサイダー疑念
4 村上Fのアドバイザリーボードであり総裁就任後も営業トークに利用された可能性あり
5 福井ショックで株価下落責任


 ま、あとはここでも大きな論点だった福井総裁スキャンダルで政治的介入の余地が生まれてしまい金融政策の信認が損なわれる(だからやめろvsやめるな論争)という話は明示的にはないです。関連しているのかもしれませんが、日銀と政府の「裏取引」(金融政策現状維持と総裁地位保全のバーター)にについては書いてますが、まあこれは推測の域なので以下略で。


 で、ビジネス社グレードのウリはですね、福井総裁が「海賊資本主義」の信奉者であったことが退陣に理由だそうです。モリタク先生が『日本経済「暗黙」の共謀者』(講談社)から一貫して主張している政府・日銀・特定評論家wの暗黙の共謀という一種の陰謀論(意図的にデフレにして資産を“不良化”して叩き売ってるのをゲット、海賊たちのさらなる資金源にして今度は優良株を買いあさりなどなど)をさらに拡張したものになります。それに今回は村上Fやホリエモン、福井総裁個人まで加わり華やかさをましてきました。まあ、これについてはモリタク先生の心情も理解はできます。でも実際にはこんな壮大な「陰謀」はないでしょう。あるのはせいぜい冒頭に書いたみみっちい「現場」の私的情報のゲットを自分たちの「社会的貢献」と理解している(してなくてもいいけどw)人たちのコーゾでしょうけど。


 ちなみにそんなみみっちいコーゾの個別撃破していると時間の無駄かつルサンチマン君の汚名wをこうむる可能性もあるので、それはネタとして心に秘めておきたいものですw