書類を書いていたらパソコンのアクシデントでパーに。愕然としたので、こういうときはボルヘスのバベルの図書館シリーズにでも手をだす。つまりは現実逃避。はあぁあぁ。(;;)。
このシリーズはあと『ヴァテック』を読めば全部読みきったことになるのだが、だいぶ放置したまま数年経過。一番、興味があったのがボルヘス自身の巻に収録された彼の愛読書リスト。愛読書がこのバベルの図書館シリーズに収められているかというとそうでもない(ほとんど収録されてないといってもいい)。さきほどこれを数年ぶりにペラペラみていた、興味を惹いたのがド・クインシーの『イマヌエル・カントの晩年』がリストアップされていたこと。この著作は国書刊行会から出ている著作集に収録されているのであとで読んでおこう。

- 作者: トマスド・クインシー,Thomas De Quincey,中村健二,南條竹則,宮川雅,鈴木聡,横山茂雄
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1998/03
- メディア: 単行本
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ド・クインシーといえば岩波文庫にも収録されている『英吉利阿片服用者の告白』が有名だけれども、リカード学派の経済学者としても知られている。僕の知識はせいぜいマーク・ブローグの犀利な処女作(だったと思うが)『リカード学派の経済学』(下に掲げた原書は翻訳が数年前までは入手可能であった)でちょっと知っている程度。どなたか若手の研究者が経済学方面だけ取り組んでおられてそのペーパーも読んだがいまは記憶にない(すまぬ>誰に謝るオレ田中)。

Ricardian Economics: A Historical Study (Yale Studies in Economics)
- 作者: Mark Blaug
- 出版社/メーカー: Praeger Pub Text
- 発売日: 1973/06/01
- メディア: ハードカバー
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で、ド・クインシーについては日本語では山形さんたちが訳しているここがとりあえずソースへの参照もあり便利。経済学関係もぜんぶたどれば読めるようになっている。そこに引用があるが『英吉利阿片服用者の告白』にリカード派の経済学との出会いが書かれている。ちなみにアヘン中毒の歴史などはここかな。
ド・クインシーの経済学と彼の文学世界(先のカントの本など)、アヘン中毒の経験などとの関連を捉えた成果というのは私は知らないのですが、ちょっと最近、気になっていることなのでそのうちメモでも書くかもしれない症候群。こういう関連も例えば『誘惑される意志』の議論とも関係するかなあ? まだわからんけどもさ。