日経公社債情報蒲焼の匂ひ


 恒例の史上最強の専門誌「日経公社債情報」の匂ひだけを嗅ぐコーナーです。永田町ウォッチに茹蛙さんが寄稿してますが、安部次期総裁確定氏の健康を心配するマターリーとしたネタでして暗黒闘気が不足ぎみでして省略させていただきます。

 特集でやはりゼロ金利解除で、ストラテジストの皆さんに緊急アンケートしております。ABNアムロ証券アムロ〜萌え)他のみなさんの感想が羅列されてますが、「実体経済への影響は軽微」ということで一致されているといことで、このアンケートの記事中にありますが、「なにがなんでもゼロ金利を維持すべきだという意見は財務省など一部に残るのみだ」そうでして、おいおい、貴誌の定期寄稿家数名も「など」扱いかよ、と突っ込みをいれたいのをぐっとこらえて 笑)、このアンケートからいくつかの指摘を羅列

1 市場関係者の利上げの予想レンジは2007年1月で中心値が2%。
2 年度内利上げは五分五分
3 なぜ7月なのか説明不測
4 3ともからむが、以前は強調していた設備投資の過熱、資産インフレ懸念などを上振れリスクで総裁あげす。
5 ドイツ証券の松岡幹裕氏のコメント「インフレ懸念は小さく、焦る必要はないはず、だが、日銀は、米利上げが終わる前に異常なゼロ金利を解除するという着地点を目指して当座預金残高の吸収を急いだ」。
6 中立金利発言の面影は現在に日銀になし

 あと利上げしてもマクロ経済に与える影響が事実上なし、という判断でしょうか、ストラテジストの過半の方々が、年内もしくは遅くても来年はやめのCPI1%超を事実上予測していますね。といいつつも、同時にストラテジストの皆さん、下振れリスクも株安や円高定着などフルセットで日銀よりも深刻に評価しているようでして、このアンケートは図らずも将来展望の不透明さとすくなからずの非整合性(利上げは実体に影響しない+実体は別要因で悪化する可能性すごく大きい+CPIは実体や日銀の政策にかかわらず上昇+……)を浮き彫りにしているようです。

 あと村上ファンド問題についてもページを割いてまして、やはり市場関係者の多くが、金融政策への政治的影響を懸念してますね。

 まあ、そもそもいまはまだデフレっていうのが僕らなんかの判断なわけですので、「いまはインフレ、デフレ復活なし」派の多数派のエコノミスト・ストラテジストの皆さんとは温度が違うはずなのですが、このアンケートはその立場の人たちでもかなり将来を厳しく評価しているように読めますた。