優柔不断な安倍政権、デフレ脱却よりも中銀スタンダードを目指す日銀、そして頼みは中川ー暗黒卿枢軸??

 猛烈に忙しいのでラジオの報道でしかまだフォローしてませんが、福井総裁の超強気発言(積極的な利上げ容認)がでたようですが、少なくとも日銀の目的がデフレ脱却ではなく、「正常な金融政策への回帰」ということだということは明白でしょう。「」内の実現のためには、事実上デフレであろうがそれを問わず、日銀「ダム論」の実現のみでその目的を成し遂げるつもりなんでしょうね。これは経済情勢は異なりますが、まったく2000年時のゼロ金利解除の理屈と同じですね。中銀はただでさえひとつの政策手段でふたつの目的(物価安定<デフレ安定でもゼロ近傍のインフレでもありません>と失業の解消)を追うのですが、わが国の中銀はそのふたつの目的はとりあえず置いといて、ひとつの政策(利上げ)でひとつの目的(政策正常化)を追うことにしたのでしょう。その目的と手段の組合せは常軌を逸してますが、中銀とすれば強気発言でもしないと市場が日銀への信頼を失うと思い込んでいるのかもしれませんね。


 で、日銀が政府(数日前の当ブログで紹介した経済財政諮問会議の文書)と政策目的を共有していないのは明白だと思います。ただ安倍首相はこの政策目的の不一致に優柔不断な態度をしているように思えます。これはBaatarismさんの指摘が妥当しているでしょう。


 結局は、中川幹事長ー暗黒卿@高橋さんの枢軸に期待するしかないわけですが、(最近めっきり中川ブログの宣伝隊になつてる当ブログですが 爆笑い)、中川氏がブログや講演会で叫ぶだけでなく、本当に政府と日銀の政策目的の一致が重要と考えるならば、① 昨年の量的緩和解除やゼロ金利解除の経済動向への影響、②潜在成長率の評価の共有=事実上の目標インフレ率の共有(実はこれは経済財政諮問会議ではなされたわけですが)、③利上げスタンスが(経済学の常識に反して)目標インフレ率を実現できるものなのかどうかの検討 などを公式の場で議論していくことではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


なお、今回は特に新聞などメディアで政府筋などから事前に大量wの政策決定の事実上の中身が流出しましたが、このような動きが放置されているのも、日銀・政府(たぶん財務省)とメディアの持ちつ持たれつの究極のインサイダー情報の私的な利用であり香ばしいかぎりです