さらに株価もまずいんでねえの?&総裁記者会見評など


 株価動向評価に関してはきわめて遅行指数発揮の田中でさえも、「これってやばくね?」て感じで推移中。前回の量的緩和解除の「灰汁抜け」なんとかかんとかという理屈でのしばしの株価上昇から、今回も同じ理屈で非合理的にあがるのかと思ったらどうみてもトレンド的に下落です、本当にありがとうございました>日銀。


 ただ萌絵ちゃんとこ見ると、マターリーした「常識つけよう、大学生シリーズ」が続いてるので、まだ安心か? そんな問題かよw (^^;)


ところで先に先週の日銀総裁の記者会見がアップされたので、まずは株価動向についての問答をみてみよう。



問) 今回、決定会合に至る近辺で、景気の先行指標の一つと言われている株式市場の変動がかなり大きかったのですが、本日の政策変更にあたってどのような判断をされたのかをお伺いします。
(答) 株式市場の変動というのは、当然、実体経済の先行きとの関係でそれがどういうインプリケーションを含んでいるかということを十分抽出して判断しなければ、政策判断として一部が欠落することになります。そこのところは私どもは十分意識しており、特に5月中旬以降の世界的な株価の下落あるいは調整については、その性格や実体経済に及ぼす影響を非常に慎重にウォッチしてきました。つい最近までの世界的な株価の下落は、私どもの判断では、結局のところ各国の中央銀行が経済・物価情勢に合わせて金融緩和度合いの修正を慎重に進める中で、市場参加者のリスク評価についての見直しが進み、その結果として株価の調整が生じた面が強かったと思っています。世界経済のファンダメンタルズの先行きの悪さを、株式市場の動きがウォーニングを発しているという感じではないと、取りあえず判断しました。その証拠に、かなりの株価下落だったと思いますが、エマージング諸国の経済を含め世界経済は、先程申し上げた通り、むしろ地域的な広がりを見せながら着実に拡大しています。その姿に揺るぎがなかったということが、判断の一つの大きな材料になっています。


要するに日銀独自の政策の結果ではない、ということがいいたいわけでしょうね。でも他方でゼロ金利解除に至ったのはフォワードルッキングの成果といいたいので、ここで奇妙なツイストがかかります。


そういう径路に沿って、少なくとも量的緩和政策の解除後、あるいは展望レポート発表後足許の状況に至るまで、ほぼ過不足なく経済・物価情勢が推移してきているし、この先も続きそうだ。そういう状況がイールドカーブに示されるように、市場参加者や企業などの民間経済主体がある程度先行きの政策変更を織り込んだ上で、意思決定を行ってきているということを前提としているわけです。現時点では、そういう姿に市場の認識が揃い、私どもの判断と市場の認識との間に、ほとんど隙間なく一致を見ているという状況であります。


で、フォワードルッキング政策は市場参加者が将来の日銀の政策決定をおりこんで、それがいま日銀と市場が一致しているわけですよね? ということは株価の現在の下げ基調は、日銀の政策の帰結で、「市場参加者のリスク評価についての見直しが進み、その結果として株価の調整」がすすんだと理解していいわけですね? 要するに世界の中銀の政策を持ち出して政策責任がわからなくなりましたが、株価の低下傾向も日銀のフォワードルッキングの責任である、とお認めになっているようです。そしてその低下傾向は問題ない、という認識ですね。わかりますた、記憶にとどめておきましょう。


 それと記者会見をみるとやはり、インフレギャップの存在を認知しているわけですね。これについてはすでにドラゴンさん論説を紹介しましたが、しかしいまの失業率の低下はなんの成果ですか? 月を追って進展していくこーぞ改革の成果かしら(もちろんそんなわけないですが)?