実はこの番組には基本的に失望しているので見ていないのですが、知人から原田泰さんが出たというので下のネットで見ました。これは面白い。特に最後の方の各エコノミスト氏の政府の経済政策についての評価(○×のパネルつき)が実に興味深い。
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2008/10/n2-2.html
コメントのところで、原田さんが「一時的に減税して将来増税といっているのですから将来の増税に備えて国民には今回の減税分をためておくべきというメッセージにうつりますよね。減税によって消費拡大する効果が非常に小さくなる」という趣旨のことをいっている点にはこのブログでも指摘しましたがまったく同意です。
ですので、原田さんが後半のパネルのところで「国の支出(真水)」部分のところの回答は「−」に無回答になっているところの趣旨もよくわかります(財政政策の前提で効果に?なのに「真水」もなにもないですからね。質問自体がナンセンスなんでしょう)。埋蔵金の活用には賛成なのも理解できます。なぜならこれもこのブログでも紹介しましたが、埋蔵金の活用は「いま10万減税して明日10万とる」という話に入らない財政政策のあり方だからです。ほかの諸項目に全部×なのも原田さんらしいですね。これも財政政策の現在の政府の策定のあり方が「いま10万減税して明日10万とる」というものですから個々のバラマキ方も本来は「−」かもしれませんが、そういうバラマキもあまりにも恣意的であることからもむしろ積極的に×なんでしょう。まあ、推測ですが、そんなに違わないでしょうね。
また「世界中が金融緩和して日本だけが金融緩和しなければ円高になってしまう。それを避けるために世界にあわせて金融緩和をすべき」という趣旨のこともいわれています。これもこのブログでもう書いてる僕も嫌になるほど最近書いていることです。嶋中雄二氏が「いますぐにでもコールレートを0.25%下げるべき」とおっしゃっていましたが無論そうですが、問題は政策転換をはっきりと明記して(かの速水総裁時のように金融緩和しながらもその目的があやふやかつ効果にさえも疑問を総裁自身が提起するなどはやめていただきたいです)より積極的な金融緩和の姿勢をみせるべきです。
原田さんのパネル上のモットー「金融緩和なき財政政策に効果なし」にはとても同意。もちろんまったくない、というわけではないが、90年代の経験を思い出してほしい。
しかしとりあえず番組のコメントでは多くのエコノミストが円高を防ぐために日銀の金融緩和を主張しているとの紹介コメントはいい、と思う。WBS見直した 笑。これで少しはプレッシャーになるはず。というかそれしか円高・株安とまらんけども(現象的にはどこかで落ち着くけどももちろんwそれが日本にどういう意味をもつ「底値」「天井」なのかよく考えるべきでしょう)。
嶋中雄二氏がこのレポートで、過去の日銀のタイミングから12月利下げを予測している。つまり日銀の政策はかの組織がいっていたフォワードルッキングな金融政策ではなく、バックワードルッキングに再構成できるのだが(苦笑)、それでも12月は遅すぎる(もちろん公定歩合下げなど挟む必要なし)。いますぐにでも緊急利下げすべき。今すぐ。
(補)切込隊長のエントリーも興味深いので参照のこと:http://kirik.tea-nifty.com/diary/2008/10/post-625a.html#more