チェコ経済メモ:新型コロナ前は中欧でも屈指のマクロ経済安定&中露のスパイの跋扈など

 チェコ経済の新型コロナ前の概要は、以下のエコノミストの書いたレポートが総括的。ただし民間エコノミストのレポートはしばしば削除されるので今のうちだいたいの概要を私見も交えて簡単にまとめる。

 

 ユーロ圏には属していない強みを活用し、為替介入(=金融政策の自律性をいかしたリフレ政策)で経済を安定化させることに成功し、低いインフレ率と低い失業率(=人手不足→賃金の安定的上昇)をもたらしている。またマクロ経済を安定化させることで財政状況もいい。そして教育水準の高さが人的資本の将来収益率を高めていて、それがチェコ潜在的な経済成長率のベースになっているだろう。EU域内ではドイツを主要輸出先とした、域内の自動車サプライチェーンの基盤を形成している。

 

チェコ経済の現状と今後の展望
~ EU域内屈指の力を持つ自動車産業が牽引するチェコ経済 ~

https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2019/09/report_190927.pdf

 

新型コロナ危機では欧州各国と同じで苦境に直面している。ここらへんはJetroの短信が流れを整理するのに便利。

https://www.jetro.go.jp/world/europe/cz/basic_03.html

 

バビシュ首相はEU復興債では、新型コロナでのGDP落込み相当でしか資金を使うべきではない、という立場。

https://jp.reuters.com/article/us-eu-summit-babis/czech-pm-babis-says-eu-recovery-fund-should-favour-countries-worst-hit-idUKKCN24I0XQ

 

読んでないが、まだ2015年と比較的に新しい(ただここ数年のマクロ経済安定は明示的ではないだろう)ので読んでみたい。

チェコ・スロバキア経済図説 (ユーラシア・ブックレット197) | 池本修一, 松澤祐介 |本 | 通販 | Amazon

 

チェコと中国の政治的対立に関する報道もあった

チェコ共和国の情報機関は26日、中国とロシアが引き続き国家安全保障の脅威となっており、特に中国がチェコ国内で工作員集めを昨年強化したとする報告書を公表した>

中国がチェコで工作員・協力者集め強化-情報機関報告書 - Bloomberg