アベノミクス下でのジニ係数、相対的貧困率、子どもの貧困率への歯止め、そしてGDPギャップ拡大そのまま

 twitterでつぶやいたものをまとめただけ。

 2014年の最新のジニ係数相対的貧困率、子どもの貧困率が発表された。「アベノミクスで経済格差が! 貧困が!」と言っていたアベノセイダーズや直観で安倍が信用できないといっていた人たちへ。ほぼすべてで減少に転じて歯止めがかかった。

http://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/pdf/gaiyo5.pdf

 このジニ係数相対的貧困率、子どもの貧困率が低下に転じた主因は、金融緩和政策による雇用創出・改善効果に尽きる。ただし今後が極めて大切。消費増税や世界経済の不安定化の長期影響の克服がマスト。それを乗り越えて、ようやく経済格差・貧困問題対処の「前提条件」が整うだけ。本番はそれから。

 所得格差や貧困問題に関心のある人達に念には念をおすが、マクロ経済政策の安定が前提条件なので、これを維持していくことがなによりも大事だ。この基本を忘れて、単なる政治的イデオロギーアベノミクス批判や金融政策批判をするのは、知的な意味でのただの欺瞞。むしろ所得格差や貧困を事実上放置することに組していることになる。それをお忘れなく。

 ちなみに子どもの貧困を重視している「専門家」たちは、ほぼすべてがマクロ経済政策の効果を無視するかきわめて否定的だった。典型例では、阿部彩氏であり、『子どもの貧困Ⅱ』(岩波新書)では、むしろ水野和夫的な経済観を支持していた。このような社会保障・労働問題の「専門家」のマクロ無視は深刻。

 なおネット匿名界隈でみたが、小賢しいと、ジニ係数相対的貧困率、子どもの貧困率が一気に低下(歯止め、もしくは急減)しているのを、どうあっても「主因はアベノミクス以外」に求めようと必死になるだろう。本当に、石橋湛山がいったように、一目瞭然もわからぬアホは多い。多くは知的ぶった愚かもの、もしくは政治イデオロギー。個々の指標だけではなく、失業率などの雇用指標などが一気に2012年終わりから2014年にかけて急激に改善している(その勢いは現在まで維持されてはいる。この先は不安だが)。この経済格差・貧困率だけではない。これだけみればマクロ経済ショック以外に理由を求めるとしたら、単に知的詐欺師であるといって差し支えない。

 ただし現状はとても不安定なものだ。まさにマクロ経済政策の積極的運用が望まれる事態が継続している。それは税と社会保障の一体化政策の放棄を大きな必修条件とするだろう。ここも何億回も念をおす。

 最新のGDPギャップをみてもマイナス幅が維持されている。何もしないでこれが縮小することは絶対にない。しかし図をみても消費増税以降が綺麗に経済の低迷を裏付けてる。雇用がまだ堅調なうちに一刻も早い、消費増税、ニセの財政再建路線を放棄し、 マクロ経済政策を全開にするのが望ましいだろう。