以下は放送聞いた時のメモ。一部分、自分で付記した経済学知識あり。
JAM THE WORLD(竹田圭吾ナビゲーター)J-Wave
高橋洋一さんの出番の回(5月4日)
「今月17日に投開票される大阪都構想の賛否を問う住民投票のポイントとは?」(ゲスト:嘉悦大学教授 高橋洋一さん)
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/break/150504.html
ふたつの論点
1)大阪市民の住民参加
270万人にひとりの市長。監視コストが高い? 五人に区長わけることで住民参加がより身近に。基礎自治体30〜50万(日本)。教育委員会増設など。予算も地域に応じて細かく決定できる可能性。現状の役人区長よりも公選区長の方がちょっとまし。
2)大阪市の二重行政
例:水道。
例:インフラ→広域行政があたりまえ。しかもいつも市と府でいつももめる。環状線できない。渋滞でコスト発生。
権限が同じなので話し合いが難しい。神奈川の問題(川崎市などが歴史的に強い)。歴史的経緯で桎梏。いまは橋下&松井なのでうまく機能。
初期コスト問題 600億円
17年間で2700億円の便益(橋下試算)。
藤井聡批判 特別区から府におカネがすいあげられる。
高橋反論:地方政府間の業務再分配にともないおカネがうごくだけで大きい問題とはいえない。住民にとってもこの行政サービスが「特別区」なのか「府」のやっているものなのか程度の認識でしかない。またおカネの再分配の動きも特別会計を設定するので、どこからどこにいくかトレース可能。
自民党代議士からの批判:住民サービスが落ちる。
高橋反論:Tiebout「足のよる投票」仮説→地域公共財の最適供給モデル。
また地域間競争は、ヤードスティック競争(地域住民が他地域と比較して自身の地域公共財のあり方に不満を抱くときはその地方政府の首長を選ばない)になる。
竹田:地域間競争の結果、地域間格差ができてしまわないか(東京の学校選択制の話など引用)。→高橋:そこは試行錯誤することになる。要するに選択の自由をみとめるか、いまのように画一化でいくのかの選択になる。格差ができれば「評判」が悪くなるので、それをよりよくするインセンティブもでてくる(というかそういう風に構築しなくてはいけない。そのひとつが公選区長制)。
高橋説「白蟻駆除効果」政令指定都市なので大阪市には補助金が多額入る。しかし広域なので間に入る人がいて、「中間搾取」。「大阪市なんとか組合」みたいな存在。中間組織を経由しないで直接配分した方がいい。そのため広域ではなく取引コストの低い基礎自治体の構築が必要。
なぜ大阪市と大阪府だけ深刻なムダが発生するのか? →人口規模が多すぎる。「利権の収穫逓増効果」→オルソンの「集合行為論」。
神奈川県と横浜、川崎などと今回の大阪府と大阪市との違い。「副都」としての大阪を考えたときに、東京と類似の枠組みにしておいた方がいい。
竹田:「大阪の腐敗についての属人的問題」。あまりにも属人性が強いので制度が変わってもやる人が同じでは変わらないのでは? →高橋:試行錯誤の選択の余地をひろげることの否定の理由にはならない。
高橋洋一さんの今回の「大阪都構想」関連の最近の論説は以下
「大阪都構想」を逃せば大阪の衰退はさらに進む
http://diamond.jp/articles/-/70878
橋下徹市長vs.藤井聡・京大大学院教授で盛り上がる「大阪都構想」。メリットは「シロアリ駆除」ができることではないかhttp://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42312
「2極の一角」へ最後の好機 大阪は「都」になるべきだhttp://www.j-cast.com/2015/04/23233796.html
2012年夏出版されたものだが、関連文献は以下。上の一連の論説の方がいまは便利。
- 作者: 高橋洋一
- 出版社/メーカー: 中経出版
- 発売日: 2012/08/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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