田中秀臣・上念司『「復興増税」亡国論』

新刊です。『震災恐慌!』(宝島社)を新書化し、内容も新しい状況に合わせ(といっても本書が昨年の春に予見した通りの「最悪シナリオ」=政府と日本銀行が事実上なにもしないことによる緩やかな恐慌化が出現してますが)見直し、また高橋洋一さんのご協力で充実した付録もつけました。

震災で被災した地域の方々の雇用の喪失、自治体の崩壊の危機、セーフティネットの深刻な毀損は、いまも危機的な状況にあり、そして政府は増税路線にだけ狂奔し、日本銀行は何もしないために被災地にある製造業を中心とした産業構造は円高の圧力の前で悲鳴をあげている状況です。

このような非情ともいえる「無策」は、野田佳彦政権の選挙対策(旧来のマニフェストを放棄し、旧自民党の支持層である地方の既得権層や高齢層、そして公務員層の一部を支持にいれようとする弥縫策)や、また日本銀行のあいもかわらぬ世界の中で最も異常な、危機の中でなにもしないことをとりつくろう政策によってもたらされているといえるでしょう。

ぜひ本書を読まれてより深くいまの日本の権力構造のなさけなさと、また日本の政策無策の実情を知ってほしい、この内容をほかの方々に伝えてほしいと思います。

第1章 恐慌は素知らぬ顔してやってくる
第2章 いま、本当に起こっていること
第3章 最悪のシナリオ
第4章 資産市場はどうなるか
第5章 震災恐慌を防げ
新書特別付録 世界一やさしい“増税なしの”復興財源捻出方法(高橋洋一

「復興増税」亡国論 (宝島社新書)

「復興増税」亡国論 (宝島社新書)