アイドル純度最高のライブ!!:さんみゅ〜単独定期ライブ

 さんみゅ〜公式サイト:http://sunmyu.com/
 さんみゅ〜公式ブログ:http://ameblo.jp/sunmyu/

 先日の「サン・ミュージック研究トークライブ」での“予習”の後、待ちに待ったさんみゅ〜のはじめての単独定期ライブを見に、初台Doorsに行きました。予想をはるかに上回る超満員の会場。ファンたちの熱気がストレートに伝わってきます。で、開場前のオープニング・アクト(?)を本日の昼の部の企画&セットリストを考えたやぁちゃん(小林弥生)がつとめた。早着替えを実演し、それを説明する軽快なMCと、衣装を脱いだときにマイクを置き忘れたときのおちゃめな対処といい、まだ開演してもいないのに、僕は「これはただものではない」と悟った。横にいたTAKAHIROさんに「MCがすごくうまい」とつぶやく。すでにこのわずか数分間で期待が高まった。

 で、本番。初めて直接みるさんみゅ〜の面々。やはり映像でみるのと実際は大違いだ。もう舞台に出ただけで、彼女たちがこのライブ会場のキャパに不釣り合いなほどの実力をもっている気がした。そしてそれはすぐに裏付けられる。開演してすぐに僕はTwitterに「さんみゅー、超満員。ハイスペックアイドルだ!」とツイートした。あとはそんなムダなことはせず、彼女たちのアイドル純度がめちゃめちゃ高いライブを満喫した。

 やぁちゃんの選んだセット・リストの流れもよく、また胆の部分である、新曲『これが愛なんだ』の純白の衣装につつまれて歌う彼女たちは、目線や指先まで十分に訓練され、そこに個々の感受性が加わって本当に美しい。

 これはただのアイドルではなく、本当の一流のアイドルを見ているのだ、という気がした。特に新原聖生はボーカルの欠けてはならない重心、山内遥はさんみゅ〜がアイドルでいるためのそのフォーカルポイント、京極友香長谷川怜華はそれぞれ両極端な濃い個性で見るものを遠心上にひきつける役割、そして木下綾菜、野田真美、西園みすずは、さんみゅ〜がさんみゅ〜であるためのまさにインフラストラクチャー。最後に小林弥生はさんみゅ〜のまさに+αの存在だ(メンバー紹介サイト)。

 ともかくレッスンの過酷さを想像させる十分に計算された輪舞、そして軽快でツボをおさえた笑わせるMC、掛け合いが気持ちいいリズムをつくる。

 それに幕間に入ったやぁちゃんワールド!! この少女の個性が爆走する!

 さんみゅ〜の岡本太郎だ!(笑)。アイドルは爆発だ 

 幕間は二回あり、前半はやぁちゃんvsれいちゃむ(長谷川怜華)のスプー対決(じゃないキリン対決)。後半は映像で「四谷三丁目の奇跡」として、やぁちゃんが三時間半かけてサン・ミュージックのロビーに描いた巨大なペイントの製作工程が面白おかしく流される。その合間も彼女たちのタイミングのいいコメントと会場の雰囲気のよさにみてて飽きない。しかしやぁちゃんという少女は感受性豊かで、こういう女の子がまだ日本にいたんだ、いてくれて幸いだ、さすが奈良だ。日本の古層から生まれてきたんだな、と次々と僕は勝手な連想をしまくる。彼女の感受性に僕も想像いや妄想が爆発だ(笑)。

 そして後半(アンコールを含めて)は、「これが愛なんだ」のカップリング曲の「駆け抜けろ!青春」や「前にススメ」などが展開されていく。特に前者は、サン・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ森田健作青春ドラマテイストがほのかに感じる面白い曲だ。1970年代から2013年の今日までの青春アイドルの歴史が点滅する。

 難しくいえば、「歴史貫通的物語を持ったアイドル」、持続低音のように70年代からの日本のアイドルの歴史そのものが、彼女たちの「いま」を支えている。その歴史を「いま」の彼女たちが、素質と努力で活用しつくす。

 こんなにすごいんだ、さんみゅ〜!

 本当に大満足だった。まだ12月まで(れいちゃむは夜の部でみれなくて無念)残りのメンバー6名の企画でライブが行われる。この一級品のアイドルを、この身近な身近すぎるライブ会場で、いまみれる幸運はそうめったにないかもしれない。ぜひ残りのライブをみてほしい。

 ライブ・アイドルとしては経験はこれからかもしれないが、むしろ彼女たちは1970年代終わりや80年代前半に実は生まれていたかもしれない、総合的な女性アイドルグループの21世紀におけるユートピア、未完の夢の再生かもしれない。その意味では、ライブを含めたより幅広いメディア(テレビ、雑誌などなど)にたくさん露出し、彼女たちが今後多くの人たちに愛されていくことを、一ファンとして(アイドルの経済学分析者としても)期待したい。

終演後、彼女たちと撮影した記念写真。あまりにも僕の頭部が光っているのは、今日のやぁちゃんのライブテーマ「みんなの光」に合わせたのです! ていうか、僕が彼女たちのサン(太陽)だ!(爆)

 

これが愛なんだ (初回盤A)

これが愛なんだ (初回盤A)