スティグリッツの『公共経済学』からの引用。
「外部性が存在するときにつねに、関係者が一致団結し、外部性が内部化され効率性が保証されるように一連の取り決めを行うことができるという主張はコースの定理とよばれている。
たとえば、同じ部屋に愛煙家と嫌煙家がいるとき、もし嫌煙家の損失が愛煙家の利得より大きいならば、嫌煙家は団結して、愛煙家にタバコを吸わないように「わいろを贈る」(経済学で好んで用いられる言い方では「補償する」)かもしれない。もし電車の禁煙車両に愛煙家がおり、禁煙(それは、嫌煙家によって愛煙家に課された外部性とみなされるが)が、嫌煙家が得る以上の厚生を愛煙家から奪っているならば、愛煙家は一緒になって、嫌煙家にタバコを吸うのを認めてくれるように「補償を行う」であろう」(邦訳275頁)。
最も詳細で入門レベルのコースの定理の説明は、私見では、柴田弘文&柴田愛子『公共経済学』である。その説明もいつかエントリーしてみたい。
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