上念さんの新作です。先の著作(「アベノミクス亡国論」のウソ )がトンデモ経済論を斬新な切り口で批判したもので大変面白かったです。今回の著作は、デフレ脱却過程とその後の日本経済と世界経済を扱ったものになっています。前半の日本の金融緩和の分析をした部分は、旧日銀的な思想がまだメディアや一般にもある中では必読ですね。雇用についての部分はバブル期の雇用状況などを参照にして、これからリフレが実現していく中でどのように日本経済と社会が変化していくか、その方向性を予見していて興味深いです。
どちらかというと今回は右派論客としての色彩が強いですね。特に韓国・中国経済を扱った部分はその色彩が強くでていて、僕は賛同できない部分もあります。ただしリフレ政策が間接的に韓国経済と中国経済にかなりの影響を与えるのは自明で、それについての一見解を与えてくれるでしょう。

- 作者: 上念司
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2013/06/21
- メディア: 単行本
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