日銀の政策決定会合をうけて上記番組で電話でコメントしました。要点は、
1 日銀の今回の「金融緩和の継続」は支持する。国債の低金利をインフレ(期待)が上昇しても維持できると思っている人たちがいると思うが端的にそれは誤解。まず日銀は繰り返し熱意をこめて、いまの金融緩和の継続が、インフレ目標2%の実現とそれによる経済状況の改善にあることを内外に示すことが重要。国債金利の安定化や株価を上昇させたり円安をうながすことはすべて副次的な現象である。そもそも中央銀行の政策が安易にころころかわればそれだけで国益を損ないかねない。(以下は十分にいう時間がなく一部端折りましたが)そんなことを日銀がするわけもないが、「金融緩和の継続」などという報道のニュアンスには、あたかも「金融緩和」見直しの機運があるかのような誤解を与えかねず、そのような報道姿勢や評論家の解釈などはすべて深刻な誤解に基づく。株価のいまの変動は典型的な調整過程。それを過度に気にする必要は一切ない。
2 成長戦略について
経済成長率は民間の経済活動の結果であり、政府が自由自在にコントロールできるものではない。簡単にいうと成長戦略は官僚の文章の寄せ集め。そもそも現実の成長率は、このような「成長戦略」ではなく、名目成長率でいえば、いま放っておいても自然に学習効果などで上昇する1%程度の潜在成長率に、インフレ目標2%を実現すれば到達できる。それができるのは「成長戦略」ではなく、金融政策の役割だ。例えば規制緩和などは効果がでてきても時間がかかる。いまの最高の成長戦略は金融政策である。
時間がなくていえませんでしたが、昨日のJ-WAVEでは、また成長戦略には消費税増税見送りこそやるべきだ、ともいいました。そもそも増税自体は民間経済に死荷重(経済的損失)を発生させる最たる「規制」です。設備投資減税をやるならば、同時にまた率先して消費税増税延期をすべきですね。