高橋洋一『アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる』

 アベノミクス本三本の矢の最後の一冊は、最も早くでたものでした。高橋さんの相変わらずのするどい指摘がうなりをあげて書かれています。本書はアベノミクス(特にリフレ政策)に対する反対勢力の政治的・経済的な利権が指摘されていて興味深いです。

例えば、アベノミクスの「成長戦略」についても高橋さんの指摘は説得的です。高橋さんが本書で指摘されているように、官僚たちのあげてくる「成長戦略」は「がらくた」みたいな産業政策のオンパレードだというのが実情です。特に「成長戦略」には、長期的な成長に貢献しそうな規制緩和の発想が乏しいですね。「成長戦略」第三弾が今週中に公表されるそうですが、そもそも政府が潜在成長率を自由自在に「戦略」化できるという発想自体が根深い誤解の根源だと思っています。

 本書は前半はアベノミクスの積極的意義ー特にリフレ政策の評価、後半にはいまもふれたアベノミクスの「死角」が解説されています。

アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる (現代ビジネスブック)

アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる (現代ビジネスブック)