奥浩哉『GANTZ OSAKA』1&2

 娯楽としてのマンガというのがあって、それはあんまり人にはいわない。例えば『ハチワンダイバー』だとか『土龍の唄』だとか『神のみぞ知るセカイ』などまめに読んでいるが、あまり人に面白いとも読んだらともすすめたことがない。不思議なものである。この奥氏の『GANTZ』も暇な時には取り出しては何度も読んでいるそういった「人にはすすめない自分だけの娯楽」作品のひとつである。その「大阪編」が映画化にあわせて特別仕様で三巻本で出る。いまのところ二冊だけだが、正直、これを買う人は相当に物好きである。まず新しい追加エピソードが本当にとるに足りないものであり、物語世界に深みを与えるものとはどうも思えない。まあ、最後の第三巻ではイタリア編が収録されるようなのでそこは新奇な感じなのだが。ただ大型の版だとさすがに迫力はあり、戦闘シーンは何度も読んでいるにもかかわらず、今回も引き込まれてしまった。本編の方はどんどん話が拡大して宇宙大戦争の様相を呈してきたが、そろそろ収束に向かわないとあと5、6年くらい完結にかかりそうな気配がしている。そんなにいかないでほしいのだが。

GANTZ/OSAKA 1 (ヤングジャンプ愛蔵版)

GANTZ/OSAKA 1 (ヤングジャンプ愛蔵版)