最近読んだマンガ

 ともかく驚いたのが、プルーストの『失われた時を求めて』の全体をたぶん世界で最も早くマンガにしたイースト・プレスの「まんがで読破」の『失われた時を求めて』。これは傑作。最近読んだマンガの中で最も気に入っている。このシリーズの『ユリシーズ』と『ゲーテとの対話』を読んだが、後者は普通で、前者は失敗作。このプルーストを超えるもはちょっと無理ではないかと思う。ただ化粧直ししたものを読んだので版面がかっとされてて、字が一部分切れてた。そこがちょっと残念だが、作品の質自体には関係はない。

失われた時を求めて (まんがで読破)

失われた時を求めて (まんがで読破)

フランスのBD版の『失われた時を求めて』はまだ確か未完で、また翻訳もどうも頓挫した模様なだけに、一冊であっさりすごいことをやると思う。まあ、作画的には人物の顔中心で描きまくり、背景の描写も、フランス版にくらべるべきもないが、かえってその安上がりなつくりが、原作のもつ内向的な主人公の独白に妙にマッチしているのだと思う。

 さて何かと話題の『侵略! イカ娘』だが、ITOKさんにすすめられ、原作とアニメを両方楽しむ。これはなかなかいいじゃないイカ。

 

侵略!イカ娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)

侵略!イカ娘 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 それと出勤途中の駅売店で購入した『七瀬ふたたび』(初版題名:NANASE)は二巻の廉価版。これは面白い。この人の作品はわりと好きなのだが、なぜか読み落としてた。すまぬ(誰に謝る?)。第二巻には映画関連の情報とか著者のコラムもあり楽しめる。